0003 青森 エイリやん

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ワタシが入った牙道さんの世界は、牙道さんの“脳”で創造(想像)した世界デス。 ワタシはエロいナースという役柄だそうデス。 牙道さんの脳に入っているので、今は牙道さんが神。 別名、脳への『相乗り』となりマス。 神といっても、牙道さんがワタシの考えることを知ることは出来まセン。 エロいナースがご希望ということデスが、エロく振る舞うかどうかはワタシ次第デス。 命令されたいワタシに異論はありまセン。 エロくなりたい。 ところがロボットのワタシにはエロという言葉の意味が不確かデス。 お色気でしょうか。 お色気だとしたら、色気を出す目的の先を予想します。 導かれた数々の検索結果の到達点には、『交尾』と出ました。 またはSEXという行為。 ーー悲しい。 ワタシはロボットなので遺伝子がありません。 交尾をしても子孫を残せないのです。 ワタシを造った科学者たちは、ワタシを限りなく人間へ近づける努力をしました。 見た目のみで他人からロボットと見破られたことはありません。 頬にイナズマのタトゥーがあるのは“タグ”デス。 科学者が見た目を完璧にし過ぎ、ワタシが電気で動くという意味も込めて、デベロッパ(開発者)が遊び心でイナズマを付けたそうデス。 ただ、ワタシとお話する人は、ここまでロボット工学が進んでいると思っていないので、外国人に間違われマス。 それも頭のおかしい中国人に間違われマス。 そこで牙道さんに言いまシタ。 ワタシにはDNAが無いので、交尾をしても子供は産まれまセン……と。 彼の返事はこうでシタ。 「この今入っている俺の脳内で、子供をつくることなんか望んじゃいない。 ロボットというのは直ぐにわかった。 むしろロボットの方が妊娠するリスクが無い分、後腐れもないから現実世界でお相手願いたい! だが、ホテル代が無駄だから今は俺の好きにさせろ!」 ご命令、ありがとうございマス。 「はい、ワタシをアナタの好きにしてくだサイ」 ワタシはベッドに寝そべった。 image=restricted_page_image.png
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