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無料通話アプリのAINEで『ダレモカレちゃんタイプでござる!』
『好きでござる!』
メールで猛アタックした。
彼女も某SNSでは運営から倫理的に削除されて困るという自らのセミヌード写真をAINEなら送信できると言い、大量送信が来た。
す、凄くエロいでござるーー!!
拙者は興奮のあまり無料通話をかけたでござる。
しかし長いコールの中、受話してくれない……。
馴れ馴れし過ぎて拙者のアカウントをブロックされる? と恐怖がよぎった。
プツ「もしもしー、猿飛さん」
「お! お! お話できて光栄でござる!」
「社長さんなら、法務局の印鑑カードと会社の通帳を見せてー?」
「ぬ? 何故でござるか?」
「社長さんっていう証明よー」
ぬー?
このハーフ美女は社長へのこだわりがある……。
あ! 男らしいリーダーが好きってことか!
しかも見せてと言うからには、ビデオ通話で彼女がガセじゃないと確認できるし、美人さんを見れるでござるーー!
拙者は丁度家に居たから両方を用意し、今度はビデオ通話をかけた。
直ぐに出た彼女は本当に美しい!
「通帳の中身を開いて見せてー」
「そ、それはダメでござる」
「……おい……しろ……」
あれ? なんか男の声が聞こえた……か?
「猿飛さん、あたし、都内の神霊スポットに行きたいんだー。ボディーガードをお願いできるかしら?」
ボディーガード!?
無論 忍者として、ほっとけない!
「その任務、受けたでござる!」
「でもまだ猿飛さんの信用が薄いから、友達の女の子も一緒に行っていいなら男らしいところ見せてー」
な、なるほど。もっともでござる。
「拙者も忍者! おなごなら何人でも守るでござるーー!」
「くノ一になっちゃうかもー、じゃあねー」
◆
こうして都内でも人通りが少ない墓地の入り口で待ち合わせ時間の1時間前に到着し、たまに通りかかる女性を見つけると、いちいち「ドロン!」と言った。
その3時間後の深夜に ようやく会えたと思ったら、ダレモカレちゃんではなく、日本人の可愛い子が2人来た。
ダレモカレちゃんは急に頭痛で来れなくなったと言われ、居酒屋に誘われ、たらふく飲まされラブホテルに行った。
2人はレズだった。
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