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フロントからの電話で拙者は目が覚めた。
ーーやられた!!
財布ごと盗まれた。
確か……女豹と座子のレズプレーの写真を撮っていた時、急に眠くなってーーあ!
写真撮影の前に、女豹から酔いざましのドリンクをもらって飲んだ。
薬臭かったでござる。
あれは恐らく睡眠薬でござる!
通帳と印鑑を持って来いと言われたが、いくらなんでもそこまでバカじゃない。
……が、盗られた財布にネット銀行のキャッシュカードが入っていたし……ケータイは?
あ! やられた!!
個人としても社長としても必要な暗証番号やパスワード全てが入ったケータイも盗まれた!!
どうしよう!?
考えろ! 落ち着け! 考えろ! 落ち着け!
ーーそうだ! 拙者はもう1台のスマホで録音していたでござる。
忍者の服をまさぐると、スマホ あった!
残りわずかなバッテリーではあるが、いまだに録音中だったから切った。
録音の内容を聴こう……いや違う、ネット銀行の残高チェックが先だ。
ーーない! 300万入っていた会社の金が無い!
やられたァァァアア!!
会社が倒産するでござるー!!
警察に連絡だ!
まて、このホテルのチェックアウトをする銭もない。
はーー…………。
エイリやんに電話しよう。
拙者はエイリやんとナナが住むマンションの保証人になっている。
出会い系カフェで知り合った。
エイリやんの方は自称ロボットなので家が無くともやっていけると言われたが、ナナの方は衣食住が要るゆえ、拙者が保証人になっている。
エイリやんの見た目は可愛いでござる。
女忍者のくノ一になるよう勧めたが、忍者になる前に人間になりたいと断られた。
話し方はカタコトの中国人みたいで変だが、怪力ロボットで、自分自身がスマホの機能をもつ。
拙者はエイリやんに電話をかけた。
ーー。
『もしもし 猿飛サン、お電話ありがとうございマス』
「やあ エイリやん、急に言って申し訳ないが、助けて欲しいでござる」
『今そちらに向かいマス』 プツ
対応 早っ!
このラブホテルに来るのも早かった。
「猿飛サン、ボール遊びしまショウ」
水着姿で登場した上、バランスボールを持ち、脈略がない。
女ロボット。
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