0001 東京 エイジ

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BARへのデートは断る理由もない。 疑問も解きたいし、何よりも、ナナは可愛い!! 肌は真珠がトロけるようなツルツルとした透明感。 瞳が大きく鼻は横から見た滑り台のようで、甘そうな唇。 華奢(きゃしゃ)な腕と脚なのに丁度良い胸。 スリムなお人形さんみたいだ。 BARはここから近いが、夏の昼間ということもあって、肌を日焼けしたくないと言うナナの為にタクシーでBARに着いた。 財善(ざいぜん)ビル47階建の最上階。 一面ガラス張り。見晴らしが良く、カップルにはおあつらえ向き。 『カチーーカチカチ』 一歩店内に入った瞬間に耳ではなく、脳でカチカチと振動が響いた。 何だ今のは? まあいい、俺は美少女とデート中だ。 「ナナちゃん、ここは昼間から営業しているBARですか?」 「カフェ&バーです。ネギモバさん、私よりも年上なんだからタメ口の呼捨てで呼んでください」 「そう、分かった。じゃあ俺のことは栄治と呼んでくれ」 「ぶ ラジャー」 ナナは左の目に指で輪っかをつくりおどけている。了解ってことか。 「よう! ナナ、いらっしゃい」 「また来ちゃった、栄治さん、ここのマスターかっこいいでしょ!」 カウンター越しに立つ男性は確かにイケメンで、鍛えているのか、腕の筋肉が凄い。 「ああそうだね」 やべ、ナナに下心があるせいか、棒読みになっちゃった。 マスター1人でやってるわりには広い。清潔感があってイスやテーブル、内装のセンスも良い。 ナナは慣れた感じでマスターと対面したカウンターに座るから俺も必然的に隣に座る。 「マスター、こちら栄治さんよ」 「よくいらっしゃいました。今年に入って8人目の来店者です。ご贔屓(ひいき)に」 「ハハハ、今8月なのに8人目って、面白いマスターですね。よろしくお願いします」 マスターは真顔で言う。 「8人目ってのは本当です。ナナが連れて来た時点で、栄治さん、あなたは普通じゃないですよ」 「は?」 image=503468117.jpg
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