0001 東京 エイジ

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カクテル世界はパラレルワールドではない。 睡眠中の夢でもない。 人の脳がもつ走馬燈(死ぬ! と確信したときに一生分の人生経験が一瞬で脳を駆け巡る現象)を引き出す。 現在販売されている視界にセットするゲーム機を、その機械を装着せずに人間の脳を利用し、VR(バーチャル リアリティ)を、極限まで引き上げた状態だ。 カクテル世界では、見る・聴く・匂う・触れる・味わうの五感や熱、耳石のもつ平衡感覚や重力も感じ得る。 現実世界と全く同じ。 ゆえにカクテル世界は電話やネット、その他便利な機械と同じで、悪人が使えば悪用もできてしまう。 ★カクテル能力者は、出来る事がその経験でさらに成長する。 ★熟練すると、1人のカクテル世界に2人、3人と、複数人で入ることも可能。 ★複数で入る場合、オペレーターとして千里眼者(神の目線で全てを見渡す)を据え置くことも可能。 ・千里眼になった者は、カクテル世界の人とスマホで連絡が出来、危険を知らせたり、要求する品を本人の目視出来ない場所(鞄など)に限り出現させられる。 ・千里眼を扱える者は上級者。 ・千里眼者は“心”以外なんでも見通せる透視が可能。 【重要】・カクテルの存在を現実世界で他言した者は『脳死』する。 ★カクテル世界からの脱出方法は、初期設定はモールス信号SOS(・・・ーーー・・・)。変更も可能で、『現実世界に戻る同意』をする。 ・複数人で入った場合、戻るには全員同時が望ましい。 現実世界とカクテル世界では時の幅が30億倍も違うゆえ、カクテル世界から突然人が消えるからだ。 ★カクテル世界からは本来『“物質”の持ち帰りは不可』だが、世界に1人だけ、可能にする者を発見した。 それはーー今。 名前は【栄治】 ・この基本情報を獲得した者は、能力の応用と向上を目指すがよい。以上。 ◆ 『カチーーカチカチ』 あ、元の世界に戻った。 カチーン「乾杯~!」 ナナとマスターと俺の3人でカクテルを乾杯した瞬間だった。 本当だ、今の長い情報が、わずか1秒の出来事だ。 「凄い能力者、栄治さんを発掘!! あたしと結婚してください!!」 ナナは左目に親指と人差し指で輪っかをつくり、俺を見ていた。 image=507558094.jpg
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