序章

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 こんばんは。  最近は未成年による物騒な事件が多いですねぇ。  えっ? いつものことだと? まぁまぁそうかもしれないのですが、とりあえず、落ち着いて下さい。  確かにそういう事件はありますが、世の中には、色々な子がいますよね。  ワタシが簡単な例を上げるとすると……。  例えば、ある子は周りから自我を奪われ、自分で自分自身を作り上げては失敗を繰り返し、制御が効かなくなって暴走をしていく子。  そして、ある子は家族から居場所を奪われ、本当の居場所を確かめる為に自傷行為を繰り返して自己満足に浸っている子。  また、ある子は無二の友の命を教師に奪われ、怒りに任せて復讐を行うことで罪を重ね、それと同時に殺戮という快楽を得た子。  更にある子は夢をカルト教団に奪われ、その逃避行として、窃盗行為を繰り返してはスリルを味わう為に更に上の危険行為を行った子。  そして、ある子は愛情を友人に奪われ、快楽を求めて本能剥き出しのままに犯しては快楽の底なし沼へと堕ちて行ってしまった子。  では早速問題です。どちらの方が可哀想でしょうか。まぁ、先に答えを言っちゃうと、全てが可哀想です。  何故なら『大切なものを人に奪われて』いるから。しかし、幾ら理不尽な事情であれ、未成年であれ、結局は自分本意で走ってしまって、罪を犯してしまっているのですよね。自業自得と言ったら自業自得です。まぁ、善人のワタシから見たら可哀想だから助けたい。というのが本心です。  しかし、そんな更生の余地が効かなくなってしまった哀れな罪人を眠らせ、夢の中で懺悔と称しての処刑を行う夢中体験型脱出ゲーム「Delete」では、刑の執行人 狂者から逃げ切れれば願いを一つだけ叶えることができます。しかし、捕まったら一生夢のままです。その意味はと言うと……おっと。ここからは言わないでおきましょうか。楽しみがなくなってしまうので……。  では。早速モニターを覗いてみましょう。おや? どうやら一名、お客様がお見えの様です。
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