48人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい」
「どれ?」
受け取ると、真剣な眼差しでメモを隅から隅まで目を通し始めた。
――さっき、学校と聞いて、寒気がしたの。思わず怖くなって逃げそうになっていたけど、今は大丈夫。
「書いてみたけど……」
「うん。それでいいんだよ。偉い偉い」
そう言うと、彼は私の頭をそっと優しく撫でた。大きくて触れられると何故か心地よく感じる。でも、こういうのは余り慣れてないせいか、顔を何かで覆いたくなる。
「さっ。改めて、行こう。望」
彼は笑顔で言うと、『2―1』の扉の近くまで、軽い足乗りで行ったので、私も無言で「うん」と頷き、後をついていく様に足を踏み入れた。
最初のコメントを投稿しよう!