第3章 前編

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「はい」 「どれ?」  受け取ると、真剣な眼差しでメモを隅から隅まで目を通し始めた。 ――さっき、学校と聞いて、寒気がしたの。思わず怖くなって逃げそうになっていたけど、今は大丈夫。 「書いてみたけど……」 「うん。それでいいんだよ。偉い偉い」  そう言うと、彼は私の頭をそっと優しく撫でた。大きくて触れられると何故か心地よく感じる。でも、こういうのは余り慣れてないせいか、顔を何かで覆いたくなる。 「さっ。改めて、行こう。望」  彼は笑顔で言うと、『2―1』の扉の近くまで、軽い足乗りで行ったので、私も無言で「うん」と頷き、後をついていく様に足を踏み入れた。
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