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教室に着いて早々、彼は窓側、私は廊下側に分かれ、机の中を隅々と探索する。
「麗、そっちはどう?」
「んー、今の所、ないかな」
そう言って机の中を虱潰しに調べてはいるが、中身は空っぽだ。
なかなか良いのが見つからない。他を当たるかな。
心の中では諦め気味に呟いていたが、何かあると思い、懸命に調べていた。
――コツンッ
「ん? 何これ」
すると、私の足元に何かが当たる感覚がした。なので下を見ると、可愛い林檎柄のカバーに包まれたスマートフォンを見つけた。
誰の持ち物かな?
そう思い、珍しそうに四方八方眺める。よく見ると小さくて片手でも持てるサイズなので、ポケットにしまえそう。少し弄っていると、背後から彼が覗き込んできた。
「何見つけたの?」
「スマホ。電源が入るけど、電池が少ない」
「スマートフォンか。どんな時に使うんだろう」
「連絡手段とか、いろいろ使えそうだけど。ん?」
すると、SNSアプリ『LIKE』に1件の通知が入っていたので、早速開いてみると、次のメッセージが書き込まれていた。
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