第3章 前編
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* 少女を抱えた彼と別れた後、私は薄暗い中で一人、辺りを調べていた。彼女が倒れた所の付近には机があり、その上には沢山の書類が無造作に置かれていた。よく見ると、机の引き出しについているネームプレートに『野々坂』と書かれている。 乱雑した机の上を虱潰しに漁ると、一枚の小さな紙が書類の山からすり抜け、床へと落ちた。 「何だこれ」 それを拾い、開けてみると、何かをメモした様な言葉が記されていた。
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