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「どうした? 福島。俺がなにかしたのか?」
雪人が眉間に小さく皺を寄せて再び聞いてきた。
寿夫は随分酔っている。
当たり前だ。3分の2以上も残っていたバーボンをひとりで空けてしまったのだ。こんな状態で話をしてはいけない、と、頭の片隅ではわかっている。わかってはいるが、寿夫のアルコール漬けになってしまった感情は、僅かの理性では抑えられなくなっていた。
「なにをしたかだって? 白を切るのか」
「白を切る……って……」
「今の今までどこにいたのか、なにをしてきたのか、言ってみろよ」
「なにってバイト……」
「うそつけ!」
寿夫は雪人に掴みかかった。そのまま床に倒れ込む。
タクシーに乗ったふたりが向かった先は、ロイヤルホテルだった。
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