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行間1 神の世界の終焉
もう何年続いただろう。
なんど同じことをしているのだろう。
きっと気づけない間にたくさんの何かを失っていたのだろう。
人間は無駄が多い。
生命の時間は有限ではないのにどうして無駄が多いのか。
「理解に苦しむ」
僕、守護の神ラバルタスは切に思っていた。
こんな退屈なのを幾千年も見続けた先代達は尊敬する。
「またそんなこと言って・・・大事なお役目ですよ」
「姉は黙っていてくれないか」
「もう、自分が優秀だからって」
不出来の姉。
名はリィン。
双子として生まれた僕らは守護の神の任に尽かされた。
言葉も最初は分からなかったが人間見続けて百年も経てば勝手に全カ国後ぐらい覚えてしまう。
もう覚えることが亡くなってしまえばあとは暇だ。
暇すぎる。
試しに作ってみた未来予測のシナリオも今はなんの変化もない。
つまらない。
「いっそ、この世界壊してやろうか」
「なんか言った?」
「何も言ってないよ・・・さてと、図書館行ってくる」
「また私に押し付けて・・・何をするつもりです」
内緒と指を口にあてて僕は離れていく。
別に話すことは何も無いけど追求されるのも面倒だ。
どうすれば運命は変わるのか。
楽しくなるのか。
僕はその方法を考えるために天界図書館に向かった。
まぁ、あれだ。
今までの歴史がそこに保存されてる感じかな。
それ以上のことではない。
「図書館の閲覧ご希望ですか?」
機械的音声が流れた。
もちろん「はい」と答える。
天界では場所事に音声が流れ施設の名前がわかる。
もし間違えていたとしたら案内までしてくれる。
耄碌した爺さんしか使わないと思う機能だけどね。
「おっ、ラバルタスの坊主また懲りずにやってきたか」
「知恵の総帥『ラプラス』僕に力を貸せ」
「礼儀を知らぬ小僧よなまったく」
白く長い髭をたずさえる爺さん。齢5000年生きているらしいが神にとってそんなのは普通だ。
ただ、百年すぎると姿を固定することが出来るのと変異させることが出来る。
ラプラスは好き好んで爺さんの格好をしてるのだ。
「それに何故お前なぞに継承しなくてはならないのだ」
「そういうと思った。だから今回はこういう手段をとることにした」
取り出したるは昨日撮った一枚の写真。それを見た瞬間ラプラスは青ざめる。
人間は本当に素晴らしい物を作ったものだ。
1発で状況を伝えることが出来た。
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