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洸一のレースが終わると杏奈は席を立った。
蒸し暑かった。タオルを取ろうとバッグを
開けるとスマホがメール着信を示していた。
高校の同級生だった奥野怜子からだった。
杏奈は近くの席に腰を下ろしてメールを
開いた。
『杏奈、もしかして横浜に来てる?』
『いるよ。お茶しようか。』
『OK. 上大岡のアフタヌーン・ティーで
どう?』
『了解。一時間後にティールームで
合流しよ。生成りの麻のワンピに白い
ミュールはいてる。』
『わかった。それじゃまた後で。』
短いメールを何度かやり取りして場所と
時間を決めた。
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