真昼のクーデター

5/35
前へ
/35ページ
次へ
あ、タオル忘れてる。 杏奈は額から流れ落ちた汗でバッグを 開けた本来の目的を思い出した。その時、 彼女の背後がざわめいた。何事かと思って 振り返ると洸一がいた。ユニフォームの 上にジャージを着た彼は杏奈を見つけると 隣に座った。人々の視線が洸一の動く 方向に移動する。 「お疲れさま。優勝おめでとう。」 「ありがとう。」 「あれ? 密着の本山さんは?」 「プライベートだから遠慮してもらった。」 「希望は尊重してくれるんだ。」 「一緒に来たら杏奈の逆鱗に触れるだろう?」 「うん。」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加