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あ、タオル忘れてる。
杏奈は額から流れ落ちた汗でバッグを
開けた本来の目的を思い出した。その時、
彼女の背後がざわめいた。何事かと思って
振り返ると洸一がいた。ユニフォームの
上にジャージを着た彼は杏奈を見つけると
隣に座った。人々の視線が洸一の動く
方向に移動する。
「お疲れさま。優勝おめでとう。」
「ありがとう。」
「あれ? 密着の本山さんは?」
「プライベートだから遠慮してもらった。」
「希望は尊重してくれるんだ。」
「一緒に来たら杏奈の逆鱗に触れるだろう?」
「うん。」
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