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指さす先には力なく転がり落ちた弾丸があった。
弾丸?
何故、撃った弾が彼の足元に力なく転がっているんだ。
とナニ平は心中で独白した。至極当然の疑問だ。普通ならば弾丸はコンクリートの地面に跳弾して海の藻屑と消えるか、もしくはぶっ込んで天馬となって夜空を翔るか。
それが何故?
「分からないって顔だな。説明が必要か?」
傲慢極まりない顔で言う天。
厭らしい笑み。
「ええ。是非とも説明をお願い致します。一体今ここでなにがあったと言うんですか?」
しかしながらいまだに信じられないナニ平は素直に天に従った。
突如、横やりが入る。
アニメヒロインの声優を想起させる謳い弾む甘い声。
「単純明快。ゴットゴットで御利益がなさそうなピラミッドパワーだわさ」
「あ、葵……、お前」
とナニ平が運転してきたウォークスルーバンの荷台を見つめた。
視線の先にはドアを開け放った幼女がいた。
泰然自若とした美幼女が。
いや、美妖女が。
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