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実際に見ないと。
ただ、一般論として人間を怖がる種族に、凶暴な種族はいない。
こっちが何かしない限り攻撃される心配はない。
問題はそこに集まってくる害獣だ。ミクのやつがうまく逃げられればいいけど。
「それで二人は蛇の山のどの辺りに向かったのか、見当はついているのですか?」
「はい。レネの目的がラーナの捜索だとすれば、恐らく二人は、迂回コースの三合目あたりにある広場に向かったのでしょう。一年前にレネとラーナは、そこへ薬草を採りに行ったのですから」
「三合目か。今からいけば間に合うな。よし、ノアに連絡をしよう。すぐに救助を送ってくれる」
じいさんはぽかんと口を開けて、間の抜けた表情をした。
「どうしたのです? 早く連絡を入れましょう」
「ちょっと待ってください。ロピ様が向かってくれるのでは?」
「俺が?」
気がつくと、右手の人差し指を自分の方へ向け、ぽかんと口を開けていた。
そのとき初めて、じいさんが何を考えているのか察した。
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