第一部 第二章

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 実際に見ないと。  ただ、一般論として人間を怖がる種族に、凶暴な種族はいない。  こっちが何かしない限り攻撃される心配はない。  問題はそこに集まってくる害獣だ。ミクのやつがうまく逃げられればいいけど。  「それで二人は蛇の山のどの辺りに向かったのか、見当はついているのですか?」  「はい。レネの目的がラーナの捜索だとすれば、恐らく二人は、迂回コースの三合目あたりにある広場に向かったのでしょう。一年前にレネとラーナは、そこへ薬草を採りに行ったのですから」  「三合目か。今からいけば間に合うな。よし、ノアに連絡をしよう。すぐに救助を送ってくれる」    じいさんはぽかんと口を開けて、間の抜けた表情をした。  「どうしたのです? 早く連絡を入れましょう」  「ちょっと待ってください。ロピ様が向かってくれるのでは?」  「俺が?」    気がつくと、右手の人差し指を自分の方へ向け、ぽかんと口を開けていた。  そのとき初めて、じいさんが何を考えているのか察した。
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