第一部 第二章

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 じいさんの期待した眼差しは、俺の推測が当たっていることを証明していた。  なんで害獣やらへんな種族がいるところに、俺がいかなきゃならないんだよ。  嫌だ。  何とかして、話の方向性を変える必要がある。  「いや、害獣がいるとなれば準備が足りない。俺一人じゃ何も」    まずい、それでは俺が無能であるといっているようなものだ。  「つまり、害獣を下手に刺激したくない。そうすることによって、この牧場が襲われる可能性もでてくるのです。だから、慎重に事を運ぶのが好ましい。そのためにノアに冒険者の派遣を依頼しなくてはいけないのです」    俺はまるで熱血な講演を行う講演者のような口調で言った。  熱のこもった力強いその言葉は、すでに口から放たれてしまった。  俺は言葉が放たれてから数秒して、その言葉が自分のことを自分で叩く言葉であると気づいた。  「あなたはそのノアの派遣した冒険者なのでは?」
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