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彼らの正体――それは『スケアクロウ』と名乗る、殺しもいとわぬ過激な強盗団だった。表沙汰にできないような商売をしている組織を狙って襲撃するため、警察にも未だその存在を知られてはいない、アウトサイダー集団。つい先日にも、とある密輸組織が擁する事務所の一つを襲い、六人を殺害した上に八千万円もの大金を強奪していた。
時刻は午後の十時半。強盗団はアパート内で複数の階、複数の部屋に居座っており、一階の103号室にはそのうちの五人が集まっていた。
「――なぁ、次はどこを襲うんだよ? クサいとこの目星は付けてんだろ?」
リビングの隅に座っている三人が、花札でオイチョカブをしながら話している。
「焦んなよ。まだ前回から間が開いてない。しばらくは大人しくするってみんなで決めたろ」
「つまんねーなぁ」
「へへ、お前はただ人殺しがしたいだけだろうがよ」
「だってよぉ。この間はあっという間に終わっちまったから、暴れたりねぇんだよ」
「次襲うなら、女のいるとこにしようぜ。俺、一度試してみたいことがあってさ。ヤりながら殺したらどうなるかってやつ」
「うはは、趣味わるぅ」
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