第二章――――銃声

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「ふむ……どう気になった?」 「具体的にどこが、とは言えませんが……なにか、作為的なものを感じます。あの電話は、どうも嘘くさい」 「嘘くさい……作為的、か。たしかにその通り。あれには嘘が仕掛けられているはずだ。その見当も既についている。しかし証拠となるものが――」  神楽はふとそこで言葉を切り、数秒考えてから、思いついたように指を弾いて鳴らした。 「――そうか。アレがあったな……!」  神楽はもう一度天城の死体を写した写真を見ながら、イズミへ尋ねる。 「イズミ。天城は頭部を撃ち抜かれたことで死んだ、それは間違いないな?」 「はい。眉間を貫通し後頭部へ抜けた銃創の他に、外傷らしきものは見当たりませんでした」 「殺しに使われた銃は?」 「銃そのものは現場及びその周囲から見つかっていませんが、壁に残っていた銃弾は.45ACP弾でした。おそらく秋水が所持していたコルト・ガバメントでしょう。奴がよく使っていた銃です」 「コルト……45口径か。よし」  神楽はニヤリと笑って、手元のICレコーダーを操作する。 「ナツメ、起きろ」 「んぁ……? なに、お嬢?」  ナツメは怠そうに身体を起き上がらせながら言う。
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