第一章――――狩猟

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「あー? 誰だ? こんな時間に」  口髭は冷蔵庫からビールを二缶取り出しつつ言う。 「あーーっ!? クソっ!」  長髪が大きく頭を振りながら叫ぶ。 「こいつ一パーセントしかねぇのに必殺出しやがった! アリかよそんなの! あと一発で倒せてたのに!」 「おめぇはゲームごときでいちいちうるせーんだよ!」  口髭はソファに座る長髪へビールを放り投げる。 「一区切りついたんなら、誰が来たのかちょっと見てこいや」 「ったくよぉ、またリセットかよ。てごわすぎてやってらんねぇぜ……」  愚痴を漏らしながら長髪はソファを立って、部屋から廊下へと出る。玄関へ向かい、扉の覗き穴を覗くと、そこから異様な光景が見えた。
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