第三章――――暴露

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 女はつまらなそうに鼻で笑う。 「……ふん。まぁ、元より素直に認めるとは思っていなかった。――順番に話してやろう。貴様らの仕組んだトリックが、いかに杜撰で稚拙であったかということをな」 「はは、参ったねぇ。何を言っているのかよくわからないが……一応、聞かせてもらおうか?」  ジャケットの左胸ポケットに挟んでいたペンの頭を触りつつ、パブロは言った。 「まずはこれを聞いてもらおうか。天城が、うちのメンバーの一人、青鷺という男あてに残した留守電の音声だ」  女は上着からICレコーダーを取り出すと、音声を再生させる。  天城と秋水、二人の言い争い――そして銃声。  音声の再生が終わった直後に、パブロが言う。 「なるほど、今のやり取りを聞く限り……天城という男は殺されたようだな。もう一人のほう……秋水だっけ? そいつに」 「この音声だけを聞けば、そう感じるかもしれないな」 「ほぉ……違うというのか?」 「違うな。天城を殺したのは秋水じゃない」 「なぜわかる?」 「天城が殺されたのは、この電話の最中ではなかった。それは明らかだ」  パブロの眉がぴくりと動く。 「……どういうことだ?」
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