第一章――――狩猟

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「ナツメちゃん若いよね。何歳なの?」 「十六です」 「へぇ、じゅうろ……十六ッ!?」  ナツメは口の前で人差し指を立てて笑う。 「うふふ、秘密ですよ? お店にバレたら色々面倒なんで……ね?」 「お……オーケーオーケー。俺、口は堅いから安心して」  長髪はどぎまぎしつつナツメへ背を向けた。ナツメが玄関で靴を脱ぐのを待ちつつ、照れを誤魔化すように首筋を掻く。 「いやぁ、でもナツメちゃんすごくかわいいから緊張しちゃうな」 「えへへ。私、そんなにかわいいですか?」 「かわいいかわいい! あとは胸が大きかったら完璧……なんつって」 「胸が……」  背後でナツメのしゅんとした声がした。長髪は慌てて取り繕おうとする。 「ああいや、冗談! じょーだんだよ! 気にすることないって、きっとナツメちゃんもこれから大きく――あがっ」  男がナツメのほうへ振り向くのと同時に、彼の口へ、黒くて硬い何かが突っ込まれた。男は一瞬何が起こったかわからなかったが、すぐにそれが何なのかを理解する。
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