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「褒美、とは?」
「トリスタンとちゅうがしたい」
「ちゅー。ネズミごっこ的な」
「ちゅうだ」
「はい?」
「接吻を所望する」
「せっぷん」
「セックスでもいいが」
「いや、それは嫌です」
ソロモンがふんと馬鹿にしたように鼻を鳴らす。
「童貞め」
「そう言うあんたも童貞だろうが!」
「認める」
「……あ、はい。俺も」
「というわけで、褒美はちゅうだ」
「なんでそうなるんだよ!」
「人肌が恋しい。童貞だから」
「あーわかるー」
憐みの目で見つめあって、抱き合ってお互いの背中を叩く。
彼女いない歴イコール年齢の俺達。
そう、それは、ソロモンが『オレより先にトリスタンが童貞を捨てたら、この島を出ていく』って言ったからだ。そのくせ、この野郎、モテるくせに全く女を作らない。
「ってか、童貞なのはソロモンのせいだろう」
「島の女が不細工ばかりなのが悪い。胸に脂肪の塊はついているし」
「俺の妹をブスと言ったか?」
「確かにイゾルテの胸の脂肪は小さいな、手を出してもいいか?」
「さりげなくイゾルテが貧乳だって言ったな。あと、何があっても妹には指一本触れさせないぞ」
「シスコン気持ち悪い」
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