絶望の島と不憫な騎士

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 むかしむかし、世界の外れの島国で、希少な金属や宝石が見つかった。沢山の人がその島を訪れ、採掘を行い、豊かな暮らしが生まれ、束ねる者が王になった。  しかし、からん、からんと鳴る鐘が響き渡って、すべてを変えてしまう。  わらわらと坑道にから湧き出す人、噴き上がる黒煙と怒号。 「逃げろ!」  煤と埃で真っ黒になった男が叫ぶ。  吹き出した噴煙は、徐々に大きな頭蓋骨の形になって、かたかたと音をたてた。  誰かが地下に残されていた古い封印を解いてしまったのだ。  封じ込められた死霊の王が復活した。  坑道からは沢山の死霊たちが這い出し、沢山の人が生きた屍になった。  豊かな国は貧乏になり、そして、絶望の島と呼ばれるようになった。
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