絶望の島と不憫な騎士

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 それでも俺達は、どすこいでこの島で生活している。  この島の地下資源すごいからね。金銀宝石に、ミスリル銀、オリハルコンにアダマン鉱。ざっくざく出るから。その中のちょっとでも採掘出来れば、贅沢三昧とかはいかなくても暮らせるわけ。一攫千金を目指してこの国にやってくる者は多いんだ。  そして、この島は貴重な金属やその特殊な環境から大国同士での奪い合いが禁止されている。どこかが占有しようとすれば、他の大国が結託してその占有を解除することが条約で決まっているんだ。どこかの国が一国で持つには危険すぎるって判断なわけ。この島のルールはこの島の者が決める。治外法権で、地図の上にも載っていない。絶望の島は伝説の島なんだ。だけど……実在している。  死霊やゾンビの類いは、物理攻撃がほとんど効かない。死霊はガスみたいなもんだし、ゾンビは自己再生の能力があるから、切ってもくっついちゃう感じなんだよな。炎で焼けば……なんだろうけど、魔力の加わっていない自然の炎の場合、かなりの火力が必要で、墨小屋にでもとじこめて焼けばいいんだろうけども拘束してけしずみになるまでってなかなか難しい。  そんな奴らは魔法にはめっぽう弱くて、回復はもちろん、火、雷、水、氷、ちょっとでも魔法が付加されれば、バタバタと斃れるんで、魔導士が天敵ってことになっている。
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