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彼女が奥へ消える。
天井の蛍光灯やLEDの間接照明が次々点灯するが、一向に明るくなった気がしない。
「…これはヒドいわね…
かなり『念』がこもっちゃってる…」
『ニャあ、“浄化”位できるんニャろ?』
うん
『今のうち、やっておけニャ。僕がやると過剰浄化で聖地に為りかねないニャ』
わかった
加奈のハチャメチャ陰陽道の中で唯一まともな『浄化』。これは実家の仕事の手伝いで覚えた詔がベースになるので、見た目女子高生OLの加奈でも様になっている。
『ニャんだ、ちゃんとした神主もできるんニャないか』
し…失礼ね!これでも千葉じゃ安倍晴明の再来って言われてたのよ?
『…そういうことにしとくニャ』
「お待たせしました。ベッドを片付けてて遅れました。一番奥の部屋です」
「はい、いくわよ。…猫ちゃん」
『ニャんて呼ぶか迷った挙げ句に猫ちゃんかニャ…』
いいでしょ!別に!
名前位後で!
『あ、多分。しばらくしたら、もう一匹来るニャ。セットで考えといてニャ』
うっ…わかったわよ…
(そんなにネーミングセンスないのに2匹か…)
そんなやり取りをしながらも、草苅さんをベッドに寝かせ部屋を出る。
もう1人の彼女の案内で応接室に移動する。
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