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サロンのお客様用のお茶を出しながら、予約の状況を見る彼女。とりあえず暫くは大丈夫らしい。
「自己紹介が遅れてすみません。私は坂本 理香子。ここのサロンの従業員です。
倒れた彼女は草苅 薫。私の先輩にあたる人です」
「あ、あたしも名乗ってなかった。あたしは榊 加奈、神社の一人娘で神主代理兼陰陽師っぽいこともしてます」
『ニャ、僕も自己紹介しておくニャ」
気が付くとウァサゴは2足歩行の猫に変わり、椅子に腰掛ける。
「な!あんたどうして!?」
「限定結界ニャ。この空間の中なら、本来の姿に戻れるニャ。
改めまして。僕はソロモン72柱のウァサゴ。種族はケットシー。精霊神でもあるニャ」
「な!…」
何バラしてんのよ!この人は無関係…
「無関係な人間に霊はとり憑かないニャ。特に浮遊霊はニャ」
「「え?」」
「…おまえニャ…
仮にも陰陽師だろ…気付けニャ…
まあ、いいニャ。今回、理香子さんにとり憑こうとした霊は『浮遊霊』ニャ。浮遊霊は読んで字の如く浮遊してる霊。
霊感もなく、憑依体質でもニャい、ましてや霊を馬鹿にしてもいないのにとり憑くはず無いニャ」
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