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「あの霊は丁度、加奈が式神を使うように草苅嬢が悪意を向けて飛ばしたものニャ。
…ニャあ、理香子さん。
あなたには心当たりがあるはずニャ」
…あの呼ばれたばっかの一瞬の間にそこまで…
『加奈は経験不足ニャ。霊に対しては一瞬の判断、理解力が大事ニャ。
誤った判断で処理すると痛い目に会うニャンよ?』
くっ…京都の陰陽師と同じことを…
「あの…やっぱり、嫌われているんでしょうか…草苅さんに…」
「どうしてそう思うニャ?
詳しく教えてニャ」
「はい。
私は2年前、ここに就職しました。経験はほとんどなかったんですが、中途採用でとってもらったんです。
外資系の大手のエステサロンですから嬉しくて…一生懸命頑張りました。
暫くして、銀座支店が入ってるビルの建替えで、お客様と従業員がこの店に移って来たんです。
この店、駅直結のビルで人通りはあるんですが、お客様の入りはいまいちだったんです。
それが銀座店との合併で急に忙しくなりました。
ここは元々新店舗で従業員が新人しかいなかったんです。みんな頑張りましたよ?こんなにお客さん来たことなかったですから。
その辺からです。草苅さんの新人イビりが目立ち始めたのは…」
「うぅ…ん、人間関係?が原因かな?」
「加奈は人生経験も不足してるからニャ~
ようは銀座でエースだった草苅嬢が、顧客の取り合いになって、頑張ってる新人達がウザくなったってところかニャ」
「…はい」
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