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「ただ、出会ったら死ぬって言われてるけどそれは向こうも同じなんじゃないかと俺は思うんだよなぁ」  しかしリクが聞きたかったのはそういうことではない。  現実的ではないことに変わりはないが、ようするにリクはドッペルゲンガーに出会って死ぬのは何もこちら側だけではないのではと言いたかったのだ。 「つまりどっちがオリジナルでレプリカって話?んー、最近オカ速で上がってた記事にそんな話題があった気がするけど……。あ、そうそう確か自分以外の2人を倒すとその人物は一つの個体としての真価を発揮することが出来るとかなんとかって内容だった希ガス」  オカ速とはオカルト速報の略であり、とある掲示板で話題になったレスを取りまとめているサイトのことだ。  皆が匿名で書き込みをしているがゆえ、信憑性なんて微塵もない情報源である。 「真価って?」 「さぁ?俺氏もそこまで目を通して見てたわけじゃないし。あれじゃない、人として花が咲くというか一皮剥けるというか――って、アーッ!!……もう、りっくんってば女の子になんてこと言わせるのかな」  操作を誤ってしまったのか、画面上の操作していたキャラクターが敵に斬られてしまいゲームオーバーの文字が浮かび上がる。 「ネットやゲームに毒されに毒されているアキがまだ自分のことを女の子だと思っていることに俺は驚きだよ。まずは恥ずかしいと思うなら赤面なりしろよ、何より自分で"俺氏"って言ってんじゃん」 「俺氏っていうのは立派な一人称なの、男でも私って言う人いるでしょ?あれと似たようなものだよ」 「いやそれは――、なんでもない」  リクはそれは人として――と説明しようとしたが、隣に座る幼馴染の木ノ下アキには言っても無駄だと思い取り下げた。
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