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「で、りっくんが珍しくオカルトな事を言い出すからちょっとびっくりしてるんだけど結局のところ何が言いたいの?」
アキはコントローラーのスタートボタンを押してゲームの進行を一時停止した。
「仮にドッペルゲンガーに出会ったとして、紛いなりにも勝つという結果になった場合はどうなるんだろうなって思ってさ」
もっとも物理的な攻撃手段だけではないだろう。
オカルトなのだから見ただけで心臓発作が起きてしまって何も出来ませんでしたというオチで終わるのも考えられる。
だが、もしもドッペルゲンガーに打ち勝ってしまった場合どうなるんだろうとリクは思ったのだ。
「うひょー。普段ファンタジーとかに興味を示さないりっくんがその手の口を開いたかと思えば想像を遥か斜め上にぶっ飛んだことを言うね」
その質問に答えるべく、アキはやれやれと握っていたコントローラーを床に置いてから腰を上げ、ゆっくりとパソコンの前に着席した。
「まぁ、その手の話題は尽きることがないからオカルト掲示板の住民にでも直接聞けば何か分かるんじゃない?無駄に真面目な回答が返ってくると思うよ」
スリープモードにしていたパソコンをクリック一つで起動させてアキはブックマークに登録していた掲示板のトップページを開く。
慣れたものでだるそうな表情を浮かべているにも関わらず迷い無く目的のページにたどり着くのはさすがといっていいのか。
「……住民?そういうもんなのか?」
その様子を見ていたリクも立ち上がってページが次々と移り変わるモニターを覗き込むようにアキの横に立った。
「そういうものなの。まぁたまにバカにしてくるだけのが湧いたりもするんだけど、オカルト掲示板の民度的に少ないとは思う……うおぁっ!?りっくんちょっと近くない!?」
するとアキは伸びきっているTシャツのネック部分に手を当てて中が見えないようにガードしながら見たかと確認するように言った。
「……見てねぇよ。恥ずかしいならちゃんと服を着ろ服を。そのズボンだってほとんどパンツと変わらんだろ」
ショートパンツに素足丸出しのアキに指を向けながら呆れるようにリクは言う。
「パンツじゃないし!」
どうやらここまで太ももを顕わにしていてもパンツとは違う感覚らしく、女の子とはつくづく分からないものだとリクは思った。
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