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若武者の言葉に少女を引っ張っていた武者が尋ねる。
「よろしいのですか?」
「ああ。だが、明日の朝には必ず出立するぞ。」
若武者はそう言ってまた村の入り口に向かいあるきだした。
「あの、ありがとうございます。」
少女は声を張り上げて若武者に礼を伝えるが若武者は何も言わずに歩いていった。
「では、明日までに出立の準備をしておくように。」
武者もまたそう言って立ち去るのだった。
武者たちがいなくなると、少女は深く息をはいた。
そんな少女に村長が近づき声をかける。
「すまんな。とりあえず乱暴なことはされないと思うが。」
村長は少女を守れないことを詫びていた。
言われて少女は首を横にふる。
「仕方ないですよ。大丈夫です。何かお仕事があるんだと思います。ならば、それが終われば帰ってこれますから。」
明るく答える少女に村長はそれ以上何も言えなかった。
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