第1章

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そして、夜のお祈りが終わり朝を迎えた。 村の入り口には、村長と少女が立っており、昨日訪れた武者の待っていた。 少女は簡単に荷物をまとめており、手には小さな風呂敷包みが一つあった。 朝露が陽の光に照らされてキラキラ光っており、爽やかな村の朝を演出していたが、村長と少女の心は暗かった。 「村長さま、一先ず巫女の役目は見習いの子達に引き継いであります。」 沈黙に耐えられなかったのか、少女が村長に話しかける。 村長は少女をチラリとみて、そうか、と一言呟く。 視線は村の外を睨み付けている。 少女もそちらに視線をやれば。 薄靄の中に人影が一つ。 徐々に近づいてきた。 ゴクリ、と喉を鳴らして少女はその影を見ていると、人影がその姿を現した。 現れたのは武者1人。 そして、少女を見ると一つ頷く。 「では、行くぞ。」 武者に言われて少女はコクリと首を振り、村長に頭を下げる。 「村長さま、行って参ります。」 「気をつけてな。」 それが、少女が村で会話した最後の言葉になるとは、まだ誰も知らなかった。
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