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武者は少女を連れて歩いていく。
少し進めばガヤガヤと声がする。
そして、霧の中から大勢の人と馬が現れた。
それは、武者と少女を見て二人道をあけるように別れていく。
しばらく進めば、少し開けた場所につく。
そこには、一際大きな馬が1頭。
黒にも見える青毛の馬だ。
武者はその馬を目指している。
馬の近くに寄れば、辺りを見回す。
「どちらにおいでか?」
武者が声を上げれば、馬の向こう側から声がした。
「遅かったな。」
そして、昨日あった若武者が姿をみせた。
「申し訳ありませぬ。巫女はいかがなさいますか?」
武者の言葉に若武者は軽く笑う。
「さて、どうしようか。」
じっと見てくる若武者に少女は胸に抱いた風呂敷包みを更に抱え込む。
「名は?」
若武者に言われて少女は答えた。
「楓、と申します。」
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