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時は、我こそが覇者であると名乗る人々で溢れかえっている時代。
毎日のように戦が行われていた。
いくつもの村が焼かれ、村人は殺されるか、連れて行かれるか。
そんな恐怖と不安の中、人々は暮らしていた。
そんな中、人がほとんど寄り付かないほどの山奥に小さな村があった。
そこは山神を信仰しており、その山神を崇めるために巫女がいた。
巫女は、庵で祈りを捧げていた。
村が飢えることがないように、と。
そのためか、村で飢饉があったことはない。
村人たちは巫女を敬い、山神の怒りをかうことのないように勤めていた。
巫女もまた、自分を敬ってくれる村人たちに精一杯のお返しをと祈り続けていた。
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