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細い山道を軍馬が進む。
その後を槍を持つ歩兵が歩く。
ザクザク、と音を立てる足音に山に住む動物たちも怯えて隠れる。
そんな軍勢が小さな村にたどり着いたのは、陽が山に隠れる少し前。
辺りはうっすら暗くなり始める黄昏時。
物々しい雰囲気の軍勢に小さな村はざわつき始めた。
軍勢が村の入り口に到着すれば、女子供は家の中へ隠れ、男たちは若者を中心に警戒を顕に軍勢を見つめる。
そんな中、一際豪奢な鎧を身につけた武者が1人村に向かい歩き出す。
その後ろに付き従うは、2人のみ。
そして、村に入り村人たちをぐるりと見渡し声をあげた。
「この村に住む巫女を渡せ。」
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