第1章

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そこに涼やかな声音が響く。 「お待ちください。」 声のした方を見れば、肩で息をしている少女がいた。 黒髪に少し茶色い瞳。 白い肌にスラリとした体型。 上気した頬が少女を大人びて見せていた。 「巫女をお探しなんですよね?」 少女に尋ねられ武者は首肯く。 「そうだ。お前が巫女か?」 武者に問われて少女は頷く。 「ならば、共に来てもらおう。」 そう言って武者は少女に近づく。 少女はゴクリと喉を鳴らして武者に言う。 「一緒に行くのは構いません。しかし、明日までお待ちください。」 少女の言葉に武者は構うことなく、近づき少女の腕をつかみ引っ張る。 「待てぬ。」 そして、そのまま村を出ていこうとする。
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