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そこに涼やかな声音が響く。
「お待ちください。」
声のした方を見れば、肩で息をしている少女がいた。
黒髪に少し茶色い瞳。
白い肌にスラリとした体型。
上気した頬が少女を大人びて見せていた。
「巫女をお探しなんですよね?」
少女に尋ねられ武者は首肯く。
「そうだ。お前が巫女か?」
武者に問われて少女は頷く。
「ならば、共に来てもらおう。」
そう言って武者は少女に近づく。
少女はゴクリと喉を鳴らして武者に言う。
「一緒に行くのは構いません。しかし、明日までお待ちください。」
少女の言葉に武者は構うことなく、近づき少女の腕をつかみ引っ張る。
「待てぬ。」
そして、そのまま村を出ていこうとする。
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