episode202 誰も見てはならぬ

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青筋立てる老執事を 「僕を見てるとお母様を思い出すかい?」 「坊ちゃまっ……!」 僕は輪をかけてからかってやる。 「ごめんよ。悪気はないんだ。単なる興味さ」 「あなたというお人は全く」 「ああ、そんなことより……」 だけど今は 中川をからかって遊んでる場合じゃない。 「征司お兄様は?今どちら?」 保身が優先。 プロテクターを身につけろ。 「征司様でございますか?それでしたら――」 すっかり平静を取り戻した中川は チラリ階下に目をやると。 「先程、専属のセラピストをお呼びになって、ミストルームで施術をうけてらっしゃるところです」 言った。
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