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間接照明の仄灯りをたどってゆけば。
「ん……?」
スピーカーから聞こえてくるのは
かの有名なプッチーニのアリアだ。
「……らしいな」
スリッパを脱ぐと。
一人ほくそ笑んで僕は
ミストサウナに続く扉をそっと開けた。
――途端。
(アロマオイルか……)
辺り一面充満した
えもいわれぬ芳香な花の香が
細かい霧に混じって降り注いだ。
幸い
施術台の上の王様は振り向きはしなかったが。
浅黒い肌をした
混血の美しいセラピストの青年が
「あ……」
僕に気付いて綺麗な青い瞳を見開いた。
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