結婚してから

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私は退院が近づいてきたある日、母に電話をしました。その内容は義母に対してお礼の連絡をしてほしいというものでした。電話しながらも、なぜそこまで言わないと動いてくれないのか?と少し腹が立っていましたが、義母のことを想うと我慢ができました。そして、母は私が外泊していたある日に我が家へ電話をしてきました。義母との会話の内容まではわかりませんが、電話中の義母の様子から察するに、お礼だけではなく母自身が聞いてほしいこともダラダラと話してきたのでしょう。義母は疲れたように肩をさすっていました。それをみかねて、私は多少強引に電話を代わってもらい、受話器を置きました。受話器を置いた私に義母は「あなたも大変だったのね。」と声を掛けてくれました。この事や私の幼少期からの話を聞いてくれていた義母は、母が発達障害者の可能性もあるのではないか?と言い始めました。義母が探してくれた情報を見ると、母にも当てはまる項目がいくつかありました。ただ、それだけで断定する事はできず、今は自分の事を考える事が最優先だと思った私は、その事にはしばらく触れないでおこうと思いました。 そんなこんなな日々にも、やっとひと段落できる日がきました。待ちに待った先生からの退院の許可が出ました。退院日には、偶然近くに住んでいた幼馴染が迎えにきてくれました。我が家まで帰る途中にランチをし、久しぶりに楽しい会話ができ、やっといつもの私に戻れたように思えました。
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