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ひとみさんは僕が助手席に座ったのを見届けると、アクセルを全開した。急加速するベンツ。エンジン音が素晴らしい。まさに、車とは、飾るものではない。走る為に存在する。
ひとみさんは真夜中の国道を一気に突っ走り、懐かしいあのマンションへ僕を連れ戻した。
そこには、もうあの院長は居なかった。
「パパ(院長)はね、地球に飽きたから、他の星に行ったわ。私はここ(地球)に残ることにしたの」
「そうなんだ。あんなに仲が良かったのに?」
「パパも新しい異星人の愛人が欲しいみたいよ。それはそれで、いいんじゃないの?親子の縁が切れたわけではないんだから。また、ふらっと帰ってくると思うわ」
ひとみさんは余裕だった。
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