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登場作品:うえきの法則
分類:クソガキ
職業:邪馬台中学校1年生
立ち位置:ロベルト十団編ボス
悪人度:A
カッコよさ:C
強敵度:B
存在感:B
作品貢献度:B
演:山口眞弓
福地翼氏が初めて週刊連載をした漫画がうえきの法則だ。実は私はこの漫画が結構好きで、アニメ化される前から読んでいた。
「〜を〜に変える能力」と自分の才能(なんと平均100〜150くらいあるとか。私にはないぞ!?)を生かして戦うバトル漫画で、魅力的なキャラクターとバトル方式に惹かれた漫画である。
今読むと福地翼氏が初心者だった事から画力やストーリーの粗が多少あるものの、不思議と読者(というか私)をグイグイ引き込む力があったように思う。
そんなうえきの法則から今回は中盤の強敵にあたるキャラクター明神太郎を紹介するのだが、実は私にはこのキャラクターが登場する前に密かに注目していたキャラクターがいる。
その名をカムイ=ロッソというのだが、うえきの法則主人公の植木耕助の宿敵ロベルト・ハイドンの配下であるロベルト十団の一員として登場。植木達の前に直接姿を表すのではなく、同じくロベルト十団の一員である黒影の男と植木のバトルを観戦する形で出てきた。ようはロベルト十団の強大さと残忍さを語る役割である。
植木と戦う黒影の男自体「影を粘土人形に変える能力」を使うかなりの強敵で、植木を相当追い詰めた事からそれまで植木が倒してきた相手とはレベルの違いを見せつけていた。
そんな二人の戦いを、カムイ=ロッソはまるで自分以下とでも言わんばかりの態度で見ていたうえに植木をはっきりと弱いと評していた事から(しかも大層な名前だし)私は「いずれこいつとも戦うのか。強いんだろうなぁ」と思っていたのだ。
だが、カムイは黒影の男との戦いで満身創痍の植木にあっさり負けてしまった。しかも植木と向かい合って戦う黒影の男を横から気絶させ、邪魔をした事で植木の怒りを買い、倒されるという絵に書いた様なかませ犬的やられ方で非常にガッカリしたのを覚えている。
ビッグマウスや冷徹な面が目立っていたのが逆に、結果的にただの口だけ馬鹿で終わってしまったのは途中で何らかの展開路線変更でもあったんじゃないかと邪推してしまうほどだ。
そして、せっかく強敵として出てきたロベルト十団もこんなものなのか、と失望していた私の目に映ったのが明神太郎だったわけだ。
この明神太郎というキャラクターはいつもニコニコしており口癖は「〜っス」、クリリンのように鼻がない等の特徴もあって一見人畜無害そうなヤツである。だが、ニコニコしながらもロベルト十団の一員を名乗り、しかも音を立てずにいつの間にか植木の背後に回り込む底の知れなさを初登場にして見せつけた。
しかもそれまで植木が対峙した事のない中一という設定から、何か特別感を感じたのだ。
私は「またなんか面白そうなやつが出てきたぞ」と思い、ついこのキャラクターに注目しながら見てしまう事になる。
明神はここでは植木と戦わず、カムイを倒した植木を十団に勧誘するという役割だった。植木は内部から十団を潰す為にあえて入団するわけだが、集会所にやってきた植木を待っていたのは十団の濃いキャラクター達!
しかし明神はそんな十団メンバーの中央に座っていた!(しかも1人だけ中一だし)明らかにボスポジションだと直感した私は、早く明神の強さを見たい一心であった。
ロベルト十団のとこへ来たものの、後に植木の仲間になる鈴子・ジェラード(最初は味方にするつもりじゃなかったからか可愛くなかった)も含めてメンバーは皆、才数が少ない植木を戦力外と見なしていた。
しかも植木がいちいち逆らうような態度をとるため、基本的には煙たがっていたのだが、明神だけは中立というか1人だけいじめられてる植木を助けるような立場だったので、私は「あれ?まさかこいつはそんなに悪いやつじゃないのか?」とか「ニコニコした顔に似合って社交的かつみんなのまとめ役に向いてるやつなんだなぁ」と思っていた。
しかし、植木がロベルトに逆らったり他の十団メンバーに敵意を向けると(笑顔は崩さないが)構えたりするなど、植木の味方というよりかは中立な立場なのかなと感じた。
だが、集会に遅刻してきた植木についに笑顔を崩して苛立った顔で注意した場面を見て「あれ?やっぱり良いやつではないのか」と思ったり…
とにかく、彼が実際にバトルする前から私の心を掻き乱してきたキャラクターなのである。この明神君は。
そして、うまい事十団に入団した植木は2人1組で敵能力者を倒しに行く任務に赴き、そこでメンバーの1人アレッシオ(植木と2人1組を組まされた人)と対決する事に。しかしカムイの時と違ってめたくそにやられた植木は、実は天界人だった!という急な設定出現により覚醒。
新たな能力たる神器(個人的には植木の戦術がここから完全に神器頼りになったのは残念)を武器にアレッシオを撃破したのだが、私としては植木の覚醒そっちのけで集会所に1人だけで戻ってきた植木に驚く他の十団メンバーと一緒に驚く明神に注目してしまった。
明神が驚いているという事は、明神もアレッシオが植木を殺していると思っていたのである。なのに植木が1人で集会所に戻ってきたので「あれ!?なんでこいつ無事なの?」と思ったからこその驚きの顔じゃないかと当時の私は推察した。
つまり、明神は全く植木の心配をしていなかったわけで、内心アレッシオが植木に対してやらかすんだと考えていたのだ。ここで私の中の「明神イイヤツ説」は徐々に崩れていく事になる。
植木は結局自分がアレッシオを倒した事を自白し、メンバーの1人ドンが植木を殺す為に連れ出すのだが明神はニコニコしながら黙認したので「あっ、こいつは決して植木の味方にはならないんだ」と察した。
そして同時に以前から私の中で温まっていた「明神強い説」と併せて、植木と明神の対決が楽しみになっていったのだった。
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