フリーザ(ドラゴンボール)

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登場作品:ドラゴンボール 分類:大悪党 職業:宇宙の地上げ屋 立ち位置:ナメック星編ボス 悪人度:S カッコよさ:B 強敵度:A 存在感:A 作品貢献度:A 演:中尾隆聖 やはり1ページ目はこの方だろうと、ドラゴンボールのフリーザ様を紹介したい。有名な悪役なので今更語る事もないと思うのだが、それを言ってはおしまいだろう。 さて、個人的には悪役というのはいくつかタイプがあると思う。おおまかに分けると「根っからの悪役」「過去に影響された悪役」「ネタ悪役」「悪役というかライバルキャラじゃね?」と、こんなとこだろう。更に分けると熱血型やらクール型やら天才型やら努力型やら・・・・・きりがないのでそれはさておき、今回語るフリーザ様は上記の中では「根っからの悪役」だと思われる。 最近ではどちらかというと「過去に影響された悪役」が多い傾向にあると思う。悪役にもこんな辛い過去やきっかけがあるんだ!という訴えが聞こえるがごとく辛い過去持ちの悪役が増えた気がする。しかしこのフリーザはただ強くて誰も逆らえないから星を制圧するわ殺すわ子供にも容赦ないわと、悪役に過去なんざいらねぇ!悪いだけだから悪役なんだよ!という訴えが聞こえるがごとき「根っからの悪役」なのだ。 そもそもドラゴンボールという作品は基本的には主人公の悟空が章ごとに現れる敵と戦い、退ける→そのまま作中で時間が経過し、新たな敵が現れるのでこれをまた悟空(もしくはその仲間や息子)が退けていくという流れを繰り返す形である。 このフリーザは全体の流れから見れば中盤のボスという事になるが、個人的には純粋に悪人として描かれた最後の敵ではないかと思っている。フリーザの後に現れる敵は悪党と言いにくかったり、造られたから悪であったり、悟空に恨みがあるから悪かったり等何かしらの「理由」があったように見える。 ところがフリーザは悟空が関わる前から、誰かにつくられたわけでもインプットされたわけでもないのに星を手に入れて売りさばくようないわゆる地上げ屋をしていた。 ぶっちゃけてしまえば、やり方はともかくとしてフリーザとしては仕事をしていたにすぎない。ところが社員であるベジータの反乱と結果的に彼と手を組む事になった地球人陣営が邪魔をしてきたゆえに排除しようとした流れになったため、見方を変えるとフリーザは被害者とも言える(被害者といっても勿論悪い事をしてたら邪魔されたのでカッとなってついでに殺そうとしたという同情の欠けらも無い被害者だが)。 無論、悟空とも戦闘の際に初めて会ったので因縁や過去の怨恨等もなく(一応悟空の故郷である星がフリーザによって破壊されていたり、悟空の父バーダックがフリーザに挑んで死亡していたりなど因縁が無くもないが、悟空自身は殆ど気にしている様子はない)戦闘開始されるわけで、とくに何の理由もなく悪事を働いていた悪人VS正義の味方の構造が出来上がるわけだが、ようは悟空達への恨みや悪意のインプット無しに悪い仕事をしていた。個人的にはこの部分がフリーザをただの悪いヤツに見れる要素ではないかと思う。そして、これらが彼を根っからの悪役と評するに値する要素ではなかろうか。 読者から見ても「自分の不老不死のため」とかいう他人にとってはきわめてどうでもいい理由で、ただ平和に暮らしていただけの星に自分勝手に侵略して虐殺を繰り返し、子供すら容赦なく殺害する(させる)姿はたった短時間のうちの情報量ではあるが「悪者」としてのインパクトを多大に与えたのではないかと思う。 また、本作においてドラゴンボールを悪用しようとした最後の悪役である事もその存在感に一役買っていると思う。後半ただの便利アイテムになってしまったドラゴンボールだが、かつてはこういう私利私欲の為に使おうと企む敵ばかりだったなぁと考えさせられる。 a694847d-e285-42ff-b5dd-8c2779870aab
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