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《聞仲の名言集》
「老けたな、飛虎」
↑久々に親友に会った第一声。しかしこれは信頼関係ゆえのやりとりだ。この二人の友情は最後まで物語に欠かせない要素となる。
「陛下。妲己は仙女です」
↑紂王にもハッキリと物申す聞仲。後見人としての立場と確かな実力があっての事である。もちろん紂王からの信頼も厚い。
「おまえに言われるまでもない道化!殷は必ず立ち直る!」
↑最強の傍観者、申公豹を道化と称す(まぁ見た目からしてピエロだからね)。だが実力は評価しているようで何だかんだで話し込む場面もある。
「(飛虎よ…私とおまえは敵同士になるのか?私はおまえと戦わなくてはならなくなるのか!?)」
↑妲己の策略により殷を出る事になった黄飛虎とその家族達。聞仲の心中には誰にも吐露出来ない複雑な気持ちがあった。
「殷王太丁を裏で操る女狐めが!!!殷を害する者は誰が許そうともこの私が許さん!!!」
↑なんと60年前にも殷を食い物にしていた妲己と聞仲はかつて対決していた。この時は見事に追い払ったのである。
「殷は何度でも甦る!!」
↑たとえ相手にどんな道理があろうとも殷を守る事が最も重要なのだ。これまでどんな事があろうとも殷を守り、我が子のように愛してきた聞仲だからこそ…
「理想を語るには、それに見合う力が必要だ」
↑シンプルではあるが世の中の真理のひとつでもある。一見力押し、暴力的な言葉ではあるが実際避けては通れない理論だからだ。
「西岐に与えるには惜しい男だ」
↑少ない戦闘の中、太公望の器を高く評価した聞仲。確かな目を持っている。
「張奎、私は少し仮眠をとる」
↑一見完全無欠に見える聞仲だが、寝不足でフラフラするシーンもある。こういう合間合間に見える人間らしさも彼の魅力のひとつなのである。
「それだけおまえの能力を高く評価しているのだぞ。それとも私の信頼に背くつもりか?」
↑部下の張奎に国を任せる聞仲。この言葉を聞いた張奎は子供のように喜ぶ。しかし決して利用などしているわけではなく確かな信頼関係があっての事だ。
ちなみに私はこの張奎が最初はモブ顔だったし大したことないんだろうなと思っていたのだが、後半まさかの覚醒に驚いた。
「私なら未来永劫にわたって人間界を幸せに出来る!わが子殷の旗の下で!!」
↑聞仲にとっては殷は我が子なのだ。もうもはやほかのものは捨て去っていると言える。
この姿を理想家ととるか、はたまた老害ととるか。それは受け手次第ではあるが、とにかく突き抜けていると言えよう。
「普賢真人よ。人には優先順位というものがある!そして私にとっては殷がその一番なのだ!」
↑聞仲にとって自分はあくまで人間なのだ。そして殷を愛するひとりの人間であるという事なのだ。その年月と比例した言葉の重みと強固な意志は簡単に崩す事は出来ない。
「これまで…そしてこれからも金鰲と崑崙は何一つ殷のためにならぬとわかった!だから滅ぼす!この単純な構造をお前も太公望も何故わからぬのか?」
↑もはや殷の平和のみを見ている聞仲。実は結構な理想家である。だが彼にはこれをやるだけの力が備わっていたという事だろう。
「話は終りだ 崑崙十二仙普賢真人!不要な仙人界とともに消えてもらおう!!」
↑聞仲にとっては人間界いや殷には仙人も道士も必要ないのだ。そしてそれを阻止せんとする者は誰であろうと、そしてどんな多人数であろうと排除するのみ!
「力の差とは無慈悲なものだな。憐れみをもって一つだけ教えてやろう」
「私に弱点はない!!」
↑普賢真人の放った核融合攻撃ですら無傷だった聞仲。もはや道士ひとりでは勝ち目はない。
「余力を残して戦うのは死にゆく者に対して失礼だったな。だが私が本気を出した以上…仙人界は今日滅亡する!!」
↑個人的にはジャンプ漫画の中でも屈指の『やべ、勝てんぞこれ』ってなるシーンだと思っている。
普通に考えて女媧>>聞仲なんだけど、やっぱり絶望感は聞仲の方が圧倒しているなぁ。
「あなたが崑崙山の教主…元始天尊ですね?」
「殷のために消えていただく!!」
↑殷のためならばどんな強敵をも倒す意志を固めている聞仲。その相手が元始天尊だろうとそれが変わる事はなかった。
苦戦はするも、重力千倍すら突破する!
「もう私は誰にも心を開かぬと決めたのだよ。今の私には殷しかない。殷のためならば何でもしよう」
↑ん?今何でもって…
という冗談はさておき、このシーンの聞仲の目に何かもの哀しさを感じてしまった。強固な意志はあるが、何かが崩れているような。そんな気がしてしまう場面だ。
「ダメだ…いくな飛虎…」
↑王天君の策略により、酸性雨が降り注ぐ空間をつくる宝貝『紅水陣』で黄飛虎と戦う聞仲。しかし黄飛虎の死を感じ取った時、聞仲はついに精神に亀裂を生じさせていく。
「そこが夢想だというのだ!!!そのような幼く浅い思想を持ったおまえに…人間界は渡せぬ!!!」
↑人間界、というより殷を第一に考えている聞仲だからこそ、死が近い事を感じているはずでもこんな台詞が出るのだ。
この時点では聞仲は自分の中の理想こそ崩壊している事に気付いていたはずである。だが太公望に最後まで壁として立ちはだかる事で乗り越えさせようとしていたのではないだろうか?
「飛虎が死んだ時…気がついた…。私が取り戻したかったのは殷ではなく…飛虎のいる”かつての”殷だったのだ…失った時が戻ると信じて…」
↑失ってから大切な事に気付くとはよく言うが聞仲もそうだったという事だろう。以前は黄飛虎からの勧誘も断っていたが、やはり相当意地になっていたのかもしれない。
周りから見て馬鹿だ、頑固だと思われても何となく後戻りしたり自分の意志を曲げたくない気持ちは何となく分かる。そしてその後に後悔した時の気持ちも…
「太公望よ。人間界はおまえにやろう。おまえの言う『仙道のいない人間界』を作ってみるがいい。だが私はおまえの手にはかからない!」
↑北斗の拳のシン等もそうだが、私は『お前の手では死なん』というような最後の意地が結構好きだったりする。聞仲は負けを認めつつも、自分の誇りに恥を乗せる事はしたくなかったのだろう。
「おまえともっと早く会っていたなら…私ももっと違う道が見えていたのだろうな…さらばだ太公望!」
↑この後、崖から身を投げる事に。仰向けになりながら、太公望を見ながら僅かな笑みを浮かべ覚悟を決めながら落ちていく姿はなんだか美しい。
「フッ…張奎。その程度で音を上げるのか?」
↑聞仲没後、最終的に太公望の仲間になった張奎は聞仲の跡を継いで禁鞭を使用するようになる。
最終戦、仲間たちの力を集めて戦う太公望に張奎はかなり力を取られて音を上げるが、そこに聞仲の魂魄がやってきてこの台詞を言うのだった。彼は死後も部下の活躍を暖かく見守っていたのだ。
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