終わりと始まり

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目を開くとそこには、真っ黒な空間が広がっていた。どこまでもどこまでも続く、終わ ることのない地面。それは不気味で、私は恐怖を覚えた。私は、少し前に死んだはずだ 。ならここは天国、いや地獄か?そう自分に問いかける。それとも、よくある転生の時 に行く神の部屋か?それなら神が出てくるはずだ。ここは…現実なのか?私は生きてい るのか?そう期待した。けれど、そんなことはなかった。 「君はね、これから消えるんだよ。全ての生き物は死んだ後無に戻るんだ。」 そう言って黒い衣装を身にまとった男が出てきた。 「あんたは…誰だ。」 「僕?僕はリセット。生き物の記憶を初期化する者。1000前に生きていた君らの祖先だ。リセットはこの仕事をする者の名前だ。…お喋りはこんな所にして僕は仕事に戻らなきゃ。じゃあね、さよなら。」 リセットがそう言った途端、意識が途切れた。
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