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「君たち?」
葉月ははっとしたように広い研究室の中を見回した。
「もしかして、ここにある他の装置って」
「そう、全部『彼女』のクローンだよ。上手くいかないのもたくさんあって。ほら、バステトが咥えていたのとか」
彼女はぶるっと体を震わせた。
「この子を守る為に……そんなの」
受け入れ難いのかもしれない。だからもっと大きくなってからが良かったんだ。
僕はこの葉月を失いたくないと思っている。
この感情は本物なんだろうか。それともヒトの真似をしているだけなんだろうか。
「葉月、君のことを僕はとても愛しているよ。バステトもだ。
僕らの『葉月』として生きてくれるかな」
僕がそう言うとバステトが葉月の足元で、ミャアと体に似合わない高い声で鳴いた。
Fin
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