第1章
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「寂しくなっちゃうな」 2年前のクリスマス、海外勤務になる彼を見送りに空港に行った私は、わざと明るく言って笑う。 そうしないと泣いちゃいそうだったから。 そんな私に、彼は顔を寄せて 「約束、忘れるなよ」と、耳元で囁いた。 その時の掠れた声も、焦点が合わないくらい近くにある横顔も、約束も、忘れた日はなかった。
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