プロローグ

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 ドンッ!  階段を転がり落ちる間、頭の中を駆けめぐる想い。  しかし、階下の床に叩きつけられると同時に、真っ暗な闇へと突き落とされた。  けたたましいサイレンの音が到着する前に、真っ赤に燃え上る大きな炎は、二つの命を舐めつくし、真っ黒な殻だけを残して吐きだした。  全てのものを灼熱の波の中に呑み込もうとする真っ赤な炎は、一つの肉体と魂を壊した所で、その勢いは消し止められた。
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