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目を開けると、そこには、机の上で組まれた、自分の腕があった。
眠ってしまっていたのか。
あわてて顔を上げると、黒板の前に立つ女性と目が合った。非現実的なまでの美女。二十代前半くらいの設定だろうか。ご丁寧なことにアルビノ風。
彼女は、視線をさっと外し、教壇に両手をかけ、話しはじめた。
「みなさんには、これから、戦争をしてもらいます」
学校の教室に酷似した空間だったが、その言葉は妙に馴染んで響いた。
「相手は〈マーズ〉。コミュニケーション不可能の結晶体。戦闘開始は明日八時。質問のある人?」
朝、早いな、と思う。
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