第3話 時渡りし想ひの果て

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私は本を雑多に読む。そして、読まれることを期待していない物語を綴る。 ただの趣味だ。……きっと、あの人の記憶に同調したのだ。 ━━本当は読まれたい 私の描く世界を知ってほしい━━ 彼もまた、本当は読んでくれる人を待っていたのかもしれない。 だから、私を警戒しなかった。私を受け入れた。 ……私を好きになってくれた。 私はワガママだ。 ━━あなたの作品が好き 私の作品も好きになって━━ それは、『あなたを好きになるから私を好きになって』というワガママ。 1人で淋しかったから、過去の人である彼にすがった……。なんて無様だろう。 叶わないことだったのに……。 彼は優しすぎた。私なんかに希望をくれた。
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