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別れはすぐにやつてきた。……自分が流行り病に掛かつたのだ。
彼女が初めて慌てていた。
「何でないの。やっぱりここは……。」
意味のわからなひことを呟いている。
私が臥せっているから、心配してくれているからか?
……死の間際、彼女は呟く。
「私はただ、あなたを知りたかっただけでした。……なのに、苦しいんです。こうなることはわかっていたのに。」
涙さへも美しかつた。
完全に意識を手放す瞬間、私は目にする。
「さよなら。あなたが好きでした。」
やつと聞くことが出来たのに、彼女はまた消えてしまつた。光となつて……。
彼女の涙と光を見つめながら私は瞳を閉じた。
……永遠に開かれることのない瞳を。
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