第2話 惹かれしもの

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『陽射しは優しく照らすが、私の心はいつも暗雲立ち込める。まるで草木のやうに、私の心は枯れゆく。』 鬱々とした文章が延々と続いていた。私は本を雑多に読むけれど、こんなにも暗いものは知らない。日記、なのだろうか。 一頁一頁、数行の日常を型どったもの。でも、何故だろう。風景と自分のことしかない。 独りぼっち……?まるで私だ。周りに溶け込んで、空気のような私のよう。 『世に蔓延る作品は歌会に参加する躍動感に溢れた者ばかり。私のやうな代わり映えのない者は消えてゆくだけもやむなし。』 優しい文字が、哀しげに見えた。 『人嫌いな私は誰に知られることもなく、儚むもやむなし。』 この人は人嫌いとは言うけれど、ただ人見知りなだけなのではないだろうか。何でも諦めすぎだなと思いつつ、頁を捲る。 自分もまた、諦めるばかりで何も出来てはいない。 どんな風貌の人が書いたのだろう。そっと瞳を閉じて物思いに耽る。
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